波間の玩具/マザーボックス

小学生のとき
今ここでこんなことをしてこんなことを考えているって
誰が想像することができたろう
人生というものは
何かを積み上げていくような感じでなくて
どこかのグランジ・オン・ザ・TVのように
すり減っていく感じでもなくて
抱えられるくらいの箱に
物を詰めていくかんじがする

人間の箱はリカオンよりは少し大きく
ミツバチよりもかなり小さい
なかなか死ねないからだ
ほおっておいても寿命は延びる
もちろんそのままイコールってわけじゃないけど

俺は子供の頃に色々つめすぎたと思う
だから最近になって色々出さなきゃならなかった
箱の数を増やすこともできるけど
どうせ減らしたくなるんだから
そんなことはやめておけ

気分でいえば
今何も入れたくない
フタも開けたくない
今入ってるものだって別にどうでもいい
でも怯えているだろう

おお
恐るべき空間よ
生命の